「おかげさまで生きる」「ご縁とお役目」

マガジンハウスの本に「100の基本 松浦弥太郎のベーシックノート」というのがあります。著者は、もちろん松浦弥太郎さん。書店『COW BOOKS』代表であり、雑誌『暮しの手帖』の編集長でもあるかたです。日々の暮らしのなかでの基本となる心がけがシンプルに書かれているこの本が大好きで、一昨年のお正月、わたしもこれを真似してみようと考えました。

iPhoneのリマインダーに、思いつくことを綴り始めました。まずは、できるだけ容易に達成できそうなことにし、それから少しずつレベルを上げていこうと考えていましたが、結局、最初に綴った15項目のまま2年が過ぎました。ゆっくり検証したり、見直したりするココロの余裕がない2年間だったのです。

おやくそく

さて、その15項目の2番目に「少なくとも週に1冊本を読む」とあります。わたしは活字が好きだし、ここ数年、大切な気づきを本の中から得るという経験を何度もしていたので、なんとか頑張りたいと思っていましたが、読書というのは、ココロが騒がしかったり、ささくれだっていたらできないのですね。本棚の本の数は着実に増えましたが、きちんと読めていない本のほうが多いような状態でした。

というわけで、今年はちゃんと読むぞと。で、まずは…

お正月休みを利用して、矢作直樹氏の「おかげさまで生きる」(幻冬舎)と「ご縁とお役目」(ワニブックス)の2冊を読み終えました。医療従事者という立場で輪廻転生や魂の話をするのはなかなか難しいんだろうなぁと感じさせるような、ちょっと遠慮がちなスピリチュアル本でした(もちろん、内容はそれだけではありませんけれど)。

その中で、わたしの思い込みを溶かしてくれたのは「寿命」についての考え方です。わたしはよく、あと何年生きられるかなと考えることがありましたが、そんなことを考えても仕方のないことなんだということにはっきりと気がつきました。いつも抱えていた何かがごっそり落ちた気がしました。そう、平均寿命なんて、人口動態の推移という観点からは国にとって役に立つ統計結果でしょうけれど、個人的にはほとんど役には立たないのです。明日、この人生が終わったとしても何もおかしくはないわけです。わかっているはずなのにわかっていなかったということがわかった、という感じ。矢作氏は、「寿命」について『この世でのお役目を果たす時間』、また、『魂を磨く期間』と表現しています。

夢や目標を持つことはもちろん大事です。でも同時に、目の前にあることにきちんと向き合い、今できることを精一杯やることがとてもとても大切なんだと改めて思いました。

素敵な2015年になりますように。