ぼくは冷たい男なのだろうか。
投稿:2016年11月29日
更新:2016年11月30日
Photo by taka (X2)
10日ぐらい前のことである。
義理の母が入院したのをきっかけに
義理の父が、ぼくの家に来た。
最初は、何日か泊まっていくだけなのかと思っていたが
なんと、まだぼくの家にいるのである。
高齢だが、元気である。
ふらふらひとりで駅前のパチンコ屋に行けるぐらい。
従って、自分の家に帰って
なんとか、生活できるとおもうんだけれど
なぜかずっと、居候しているのである。
なぜ、彼は、ここに居るんだろう?
これこれ、こういう理由だから
何日ぐらいまで、住まわせてくれないか
のような説明を受けるわけでもなく
当たり前のような顔をして
ぼくの家の真ん中で生活している。
ぼくには、その理由がわからない。
いつの間にか
ぼくの知らないところで何かが決まり
彼は、ここに住むことを許されているようだ。
それほど広い家ではないから
どうぞ好きなようにのびのびとしていてください
とは言ったものの
実際に、のびのびされると
朝の忙しい時などは、とても邪魔である。
朝は、娘が用もないのにうろうろしているだけで
ぼくは「邪魔だ!」と何度も怒ったことがあるけれど
義理の父親に、怒るわけにもいかない。
今まで通りの生活をしようとしても
必ず、どこかでブレーキがかかる。
だからぼくは、ここ数日間で
自分の生活のスタイルをずいぶんと調整した。
真ん中で生活している彼を
避けるような形の調整だから
結果的には、部屋の隅で
細々と暮らしているような感じになる。
調整しながら
果たしてぼくは、何をやっているんだろう、というような
哀しい気持ちが溢れてとまらない。
ぼくたちが結婚する直前
義理の父は、そのときぼくと一緒に住んでいた猫を
処分するように言った。
もちろん、ぼくは断った。
そして、もしも、そこまで言うのなら
猫のためにマンションを借りますよ
といったら、それ以上何も言わなくなった。
その後、結婚してから、
彼がぼくの家に遊びに来た時は
何を思ったのか、一緒に住んでいた猫に、
ライターの火を向けた。
何やってるんですか、やめてくださいよ
と言ったら、それ以上やらなくなった。
当時も信じられない気持ちでいっぱいだったが
こうして文章にしてみると
本当にひどい話だなと思う。
さすがに、もう何十年も前のことなので
そんなことも忘れていたが
こうして、また、ぼくの家に来て
意味不明な行動をする彼をみて
思い出してしまった。
思えば、結婚前に、猫を処分しなさいと言われた時点で
すべてを考え直せばよかったのかも、とさえ思う。
実は、義理の父がぼくの家に居候したのは
これが初めてではない。
その時は、彼だけでなく
義理の母も一緒に、ぼくの家に居候した。
あれは、確か、1ヶ月以上の同居だった。
あの時の義理の両親たちは
ちょっと非常事態な状況に陥り
住む場所まで失ってしまったものだから
仕方ないと思えて、ある程度、ぼくも納得していたので
長い同居生活でも、そんなに嫌な気持ちはしなかったが
今回は、理由がわからない分だけ、納得出来ず
正直、迷惑な気持ちでいっぱいである。
彼らが、ぼくの生活に関わってくると
たいていは、ただでは済まない何かが起こる。
今回の成り行きが、ぼくは少しこわい。
普通に仲良く暮らしていた夫婦が
ある日、突然の親たちの介入によって
めちゃめちゃにされてしまう例は
世の中、とても多いのだろうと思う。
介入する親たちは
ただ親である、という立場でしかないのに
何か、大きな権力を持ったかのように振る舞い
自分が何をしているかも自覚出来ないまま
自分がしたことによって引き起こされる
様々な問題の想像も出来ないまま
それまで存在した幸せな日常を破壊していく。
ぼくにも娘が2人いる。
いつの日か、彼女たちが家庭を持ったとき
ぼくは、そこに近寄りたいとは思わない。
遊びに来てください、と言われて
どうだろう、行きたくないなあ。
それに、持論として
娘の旦那の前に、父親はあまり登場すべきではないと思ってる。
その理由は、まあ、わかる人にはわかると思うけど。
そんなぼくだから
ぼくの家に居候を続ける義理の父の行動は
まったく理解できないのである。
ぼくは、冷たい男なのだろうか?
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