幸せのかけら

金峰山より

お友だちのご主人が亡くなりました。病気が見つかってひと月という早さでした。

 

いつ、どのようなかたちで、今生の命が終わるのか、わたしたちには知る由もありません。ただ、わかっていることは、いつか必ず誰にでもその日は訪れるということ。明日かもしれないし、ずっとずっと先のことかもしれない。普段はとりたてて考えることもしないそんなことを、今回の御嶽山噴火で、改めて考えていた矢先のことでした。

そう、そんな特別なことでもなければ、わたしたちは(何の保証もないのに!)今日と同じように明日が来ると無意識に信じて毎日生きているのです。

 

そのお友だちは、晩婚で、結婚してまだ2年ほどしか経っていません。結婚して間もないのに…、というやりきれない残念な思いは隠せません。でも、見方を変えれば、人生の最後の2年間を、ご主人は本当に幸せに過ごしたんだろうなとも思えるのです。パートナーの喪失は恐ろしく辛いことでしょうけれど、ふたりの中には、一番幸せなときの記憶が残り続ける。それは素敵なことかもしれない。

 

今日も新しい一日が始まりました。ささやかな幸せのかけらを今日もいっぱい見つけて、私の精一杯を生きたいと思います。