あの時君は若かった – スパイダーズ

今日のWOWOWでオンエアされた「SONGS & FRIENDS ムッシュかまやつトリビュート for 七回忌 produced by 武部聡志」で、堺正章さんと井上順さんが「あの時君は若かった」をデュエットしていた。ああ、懐かしいなあと思った。そして聴きながら、いろいろ回想した。10代前後に付き合った、ぼくの彼女になってくれた人たちを思い出しながら。

ぼくが初めて「あの時君は若かった」を聴いたのは、ザ・スパイダースのそれではなく、やまがたすみこさんのライブアルバム(SUMIKO LIVE)でムーンライダーズの鈴木慶一さんとデュエットしてるものだ。ライブだからというのもあると思うけど、アップテンポのノリノリな演奏だったので、その後、スパイダーズのを聴いたとき、ああ、ずいぶんゆっくりなと楽曲なんだなと思ったことを覚えている。

「あの時君は若かった」を初めて聴いたころのぼくはまだ中学生だったから、詩の内容について深く理解出来るわけもなかったのだけど、今日、マチャアキと順ちゃんが楽しそうに歌ってる様子に触れながら、ちょっと感慨深い気持ちになったのである。今なら、歌詞の内容も半分はわかるかなと思いながら。

歌詞の中で「ごめんね 君を困らせちゃって」というフレーズがいいなと思った。さらにその後に続く「僕の心も苦しいんだ」という辺り、なんともキュンとする。そして、最後に「僕は待ってる いつまでも」で締め括られる。

ぼくは「待ってる いつまでも」と女性に言ったことがあるだろうか。

もしかすると、あるかもしれない。

失恋がほぼ確定した段階で、これ以上追いかけても、それが彼女にとっては不幸でしかないと思ったとき、最後の望みを託して。

いや、やっぱりないな。

待ってるという言葉は、呪いの言葉にもなりうるから、仮にぼくの心の中で「いつまでも待ってる」と思ったとしても、そういう表現は使ったことがない気がする。恋の終わりが来たら、そこで何らかのケジメを付けなくてはいけない。いつか再燃するかもしれないけど、一旦は終わりにするのがルールだと思う。それでも、完全に断ち切れない心があるので「今までありがとう、もう会えないかもしれないけど、またどこかで会ったらよろしくね」ぐらいは言ってたかな?(意外にもどこかで偶然会うという経験をぼくは何度かしている、まあ、それはともかく)

今、改めて、自分の恋愛観や実際の体験を思い出しながら「あの時君は若かった」の歌詞を読んでみると、また10代に戻って、恋に限らず、いろいろやり直してみたいな、と思わせるものがある。絶対に戻れないけれど、戻れなくても出来ることもあるかもしれない。恋はちょっと無理でも、音楽とかね(笑)