自由人

アリス

以前、高校のPTA会長をしていたことがあって、卒業式にはお決まりの会長挨拶というものがありました。

わたしは融通のきかない人間で、どこからか借りてきたような言葉は嘘っぽくてとても人前でしゃべることができませんので、そのときの自分の思いをできるだけわかりやすくして伝えました。そのままだと不思議の国のアリスのような?ちょっとぶっ飛んだメルヘン話になってしまいそうでしたので(笑)。

わたしは子どもたちに「自由人になってください」と言いました。

この今の時代の、この社会のものさしではなく、もっと広い広い視野で考えられる人になってほしいと思いました。グローバルくらいの話ではなく、見えているものがすべてではないのだというほどの規模で。そう、いま世の中で認識されているものは、もしかしたら全体の中のほんのほんの僅かな部分かもしれないですよね。わたしたちを取り囲んでいる世界には、発見されることを心待ちにしているものもたくさんあるに違いありません。

常識や道徳や慣習は、今のこの「社会」で生きていくために大変便利なツールではありますが、それはまた、魂をもったひとりの「人」が生きていくのには足枷になることがあるのかもしれません。