Africa – Toto
投稿:2020年8月14日
更新:2020年8月17日
静かだが、はっきりとしたリズムで始まるイントロはとても印象的だ。語りかけるような歌に引き付けられていると、早い段階で、かっこいいドラムを合図にサビの盛り上がりに突入していく。勿体ぶったところのないアレンジが、とても爽やかである。
この曲に限らず、TOTOの楽曲というのは、例えるならば、大切に保管しておいたわけではないが、常に自分のそばにある気の利いた道具のような味わいがある。道具でも音楽でも完成度の高さというのはそういうものだと思う。
I bless the rains down in Africa
アフリカに雨が降りますように
何度も繰り返されるこのフレーズだが、歌詞全体を読むと、具体的なアフリカについて歌ったわけではないようだ。勝手な解釈だけど、誠実に思いを寄せてはいるが、なかなか叶わぬ恋と、懸命に生きるけれど飢餓や貧困で大変な状況にあるアフリカを重ね合わせている感じ。従って、この歌を作った人は、アフリカのことが大好きなんじゃないか。
1982年のリリースだそうだ。ぼくが上京して2年め、東京の生活に慣れたころ。ビルボードホット100で1位を記録したというから、毎週みていたベストヒットUSAでもよくかかっていたと思う。
窓のない四畳半暮らしで食べるものにも困る生活だったけれど、根拠のない自信と広がる夢は、日々の不安を打ち消していた。社会もがんばれば何とかなる、というような成長期だったから心配も少なかったのかもしれない。今に比べれば、若者も幸せだった時代である。
岩合さんのネコ歩きの中で、アフリカという名前の猫が出て来たことを思い出した。岩合さんは素敵な名前だねえと褒めていた。ぼくもそうだと思う。
多分、これは実現しないと思うけど、アフリカの大地に腰を下ろして、ドラムを叩いてみたい。もちろんドラムセットじゃなくて、現地の人が民族音楽をやるときに使うようなやつ。そしてそこでなんか歌ってみる。アフリカの音楽は知らないから知ってるやつでいい。好きな音楽を思い出しながら、ドラムを叩きながら歌おう。変わり種では高校の校歌や応援歌も外せないと思う。だんだん現地の人が集まってくる。なんだこの東洋人はという目で見られても、すぐにぼくの演奏に入ってくる。そしたらドラムはまかせてぼくは踊る。踊り方も知らないけど、その時のノリでいい。80年頃にディスコで覚えたサーファー踊りでもレゲエダンスでも、豪気節でも(これも高校)。ドラムを囲んで盆踊りのように円になって気を失うまで踊りたい。
歌の話から外れてしまった。