図書館の床から立ち込める油の匂いの記憶
投稿:2018年11月11日
更新:2018年11月11日
少年時代の遠く懐かしい記憶の中で
雨の日の夕方に
古い木造の図書館の薄暗い階段を上っている
というものがある。
図書館の床は板張りで
オイルが塗られて黒っぽかった。
本からの独特の匂いと
床から立ち込める油の匂いが混じって
何かとても不思議な気持ちになった。
そのときの感覚が
ぼくのなかにしっかりと焼き付いていて
何かのきっかけで
思い出したりする。
例えば、坂本龍一さんの
「async」というアルバムで
一曲め「andata」を聴いていると
ぼくは、あの古びた図書館の階段で
ぼんやりと立っている少年に戻ってしまう。
「andata」が発表されたのは去年なので
なぜ、何十年も前の記憶とリンクするのか
言葉で説明することは出来ない。
当時好きで良く聴いていた音楽に触れると
タイムスリップしてしまう、というものとは
違ったものだ。
音楽と空間の波長のようなものが
よく似ている、ということかもしれない。
あの空間が今でもあれば
ぜひ行ってみたいんだけど
あれは、確か大船渡の市立図書館で
図書館自体別な場所に移転しているし
建物も、かなり前に壊されたはずだ。
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