はじまりは、サイフォンで淹れた珈琲

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Photo by taka (7D)

ぼくが生まれて初めて
インスタントではない珈琲を飲んだのは
確か、小学4年か5年ぐらいの頃だ。

どこから手にいれたか
多分、貰いものだと思うんだけど
ある日、母親がサイフォンで
珈琲を淹れてくれたのである。

アルコールランプの炎がゆらめく風景や
沸騰してお湯が移動する様が
理科の実験のようだと思った。

もちろん、まだ子どもだったから
砂糖入りで飲んだのだと思うが
とても美味しかった記憶がある。

それからしばらくの間
母親は珈琲を淹れてくれた。

だが、そのうち、自然消滅したかのように
サイフォンは、台所から消えてしまった。

面倒になったのか
珈琲豆が切れたのか
その両方か
それっきりであった。

でも、ぼくが珈琲好きになったのは
この経験が大きかったように思う。

それからしばらくの間
珈琲との関係は空いてしまうのだが
これは確か、中3ぐらいのとき
今は無き、大船渡バスセンターの近くに
三角屋という、珈琲スタンドみたいな
本当に三角形の間取りの
大きさで言えば畳三畳ほどの
小さな店が出来たのである。

ちょっと背伸びをして
喫茶店に行きたいと思う年頃だったが
そういう場所に行ってはいけません、
と言われていた頃だ。

三角屋のたたずまいとして
喫茶店のようで喫茶店でない感じが
なんとなく微妙にオッケーのような気がして
ぼくは、友達と入ってみた。

おじいさんが
ひとりでお店をやっていた。

カウンターに椅子が3つ。
テーブル席が入る空間はない。

いくつかのサイフォンと
多分、電動の豆挽きが並んでいた。
(この辺りの記憶は定かではない。)

そこで、珈琲を飲んだのである。
これも、また美味かった。
ちょっと酸味のあるすっとした味わい。

今思えば、曖昧な記憶だけど
キリマンジャロだったのかなとか。

そんな感じで
ぼくの少年時代の珈琲体験がある。

この後、高校生になり、下宿生活を始めて
当時はまだ高価だった
自前のコーヒーメーカーを購入しているので
既に、珈琲にハマってたようだが
その話は、またいつか。

ちなみに、今は、ほとんどドリップ式で淹れている。
ここ10年ぐらいは、ハリオのV60ドリッパーを使っている。

ドリッパーもいろいろ試したけれど
ハリオが自分には合っているようだ。

サイフォンもあるが
こちらは、あまり使わない。

なんというか、特別なときに
まるで、瞑想するかのように使っている。

そして、いつか、生活のスタイルが変わったとき
サイフォンの方をメインに使うようになるかもしれない
というような予感はある。

そういえば、先日、実家に帰ったとき
母親に、子どものころの
サイフォンで淹れてもらった珈琲の話をしたら
「そんなことあったっけ?」
と言われてしまった。

ただ忘れてしまったのか
健忘症なのか、わからないけれど。


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