永遠の田舎者

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Photo by taka (31MR)

夏の間、お休みしていた仕事帰りのウォーキングを、今月に入ったぐらいから、再開した。だいぶ涼しくなって来たので、早歩きしてもそれほど汗をかかず心地好い。デング熱の心配も、もうほとんどないだろう。そんなわけで東へ西へ、ぼくは歩いている。だいたい1時間ぐらい歩く。

仕事場のある港区や千代田区、またはその周辺は、あてもなくぶらぶら歩いて、たとえ道に迷ったとしても、常にどこかに辿り着く。疲れ果ててしまっても、あちこちに地下鉄の駅があるから、いつでも歩くことを諦めて電車に乗ることが出来る。だから途方に暮れることもない。さすが都会だなあと思う。

ぼくは18まで岩手にいて、それから上京した後は、ずっと東京か埼玉だ。すでに関東にいる期間の方が断然長いのだけれど、未だに、高いビルを見上げて、すごいなあとか思う。高速道路の高架が複雑に接続されている様子をみて、単純に感動する。どれもこれも、ぼくの故郷にはないものだ。ぼくは、これらに憧れて東京に出て来たのだ。従って、この気質は、ずっと抜けないのだろうな。ぼくは、永遠の田舎者である。

ビルが好きなわけではないけれど、人間が作った巨大な構造物を見るのは好きである。よく造ったなあと思う。最近は、ビルだけでなく、ビルのまわりの造りもずいぶんと凝って来ていて、見ていて楽しい。写真に撮りたいと思う景色は無限にある。

反面、こんなもの造らなくてもいいのに、とも思う。ビルのないところに移住したい、とも思う。人が少ないところに身を置きたいと思う。自然に囲まれて生活したいと思う。

歩いているとき、ただただ、風景に圧倒されて、雑踏や街並みに圧倒されているときもあるけれど、東日本大震災のときの徒歩帰宅を思い出すときもある。

311の日は電車がすべて止まってしまったので徒歩で帰るしかなかったが、その後も計画停電と称して、電車が動かず、ずいぶんと歩いた。地下鉄に乗るのが怖くて、バスと徒歩で移動手段を考えたこともよく覚えている。

あの頃の記憶がよみがえってくると、歩いていて泣きそうになる。あの頃のいろいろな想いが絡み合って、外側に出てくるときは、やはり涙になってしまうようだ。

泣きながら歩いていたら、おかしい人だと思われるから、と思って我慢していたが、最近では、歩いているのだから、もしも涙が出ていても、誰も気付かないのだ、とも思ったり。

最近では、泣きたい気持ちを抑えず、喜びの気持ちも抑えず、とにかく心の中にあるものをすべて出し切ることが必要だ、と思っているので、そのうち、笑いながら泣きながら歩くようになるかも(笑)


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