ぼくの生まれた9月が来る

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Photo by ham (X2)

ぼくは、9月生まれだ。今日は、8月27日だから、もうすぐ、ぼくの誕生月がやって来る。しかし、ぼくにとって、この誕生月の「9月」というやつは、結構、クセモノなのであった。

ぼくは、秋が好きなので、秋の始まりを感じさせる9月という月も好きなはずなんだけど、どうも毎年、9月というのはあまりいい想い出がない。いい想い出がないというか、いい想い出を創ろうとする気合が足りないというか。

なぜか、9月は心身ともに元気がなくなるのだ。やる気が失せて、何もしたくなくなる。気持ちを切り替えて、何かしようとしても、すぐに心が折れる。なぜなんだろう?誕生日を意識し過ぎているのだろうか。それとも、何か違う理由だろうか。自分の生まれ月は、運勢的にはあまり良くない、と聞いたこともあるけれど、それかな?

最近、秋めいて来たせいか、ぼくの心身も、なんだか9月っぽい感じになって来ている。今日は仕事場で、少し理不尽と思えるようなこともあったせいか、帰りに乗った地下鉄の中では、いろいろな人々を見ながら、底知れぬ孤独と違和感を感じ、自分の存在感のなさを嘆き、自分自身を何の役にも立たないちっぽけな男であると、自虐していることに気付く。

自分が存在するだけで、社会と摩擦を起こしている実感もある。特に反抗するわけでもなく声を荒げるわけでもないが、ただそこにいるだけで、ぼくはめざわりな存在なのだ、と思ったりもする。

ぼくにとって、9月というのはそういう月だ。

ところで、9月を過ぎて、寒さが確定してしまう季節になると、この想いから離れられる。寒さという感覚が、ぼくのあちこちを研ぎ澄ますように働きかけてくれるのだろうか。


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