Denkikan

今週に入って、2本の映画を観ました。

月曜日の「ぼくを探しに」と、昨日観た「グレートビューティー追憶のローマ」です。

どちらも心の底から、というよりもむしろ、心の底が楽しめた映画でした。

(特に「ぼくを探しに」は、何度も観たいくらい!)

 

わたしの住んでいる街に、Denkikanという映画館があります。100年以上の歴史をもつ老舗映画館です。

どちらの映画もそのDenkikanの同じスクリーンで観ました。

このDenkikanは、(派手な戦いのシーンとラブロマンスがお決まりの)ハリウッド映画が苦手な私には、とてもありがたい映画館。

書店で読みたい本を選ぶように、上映中のもののなかから観てみたい映画を直感的に選びます。心にじわじわっと沁みてくるヨーロッパや日本の映画が多く、観終ったあともなにか読後感に近いものがあるような気がします。とにかく心地よいのです。

その心地よさのわけは、おそらく観た映画のせいだけではありません。映画館の規模、館内の雰囲気、スタッフのかた、そのようなものも全部ひっくるめて心が感じ取っているようです。

大きなカップに入ったキャラメル味のポップコーンはありませんが、カウンターバーで丁寧に作ってくださる飲み物は、お洒落なタンブラーに入れられて座席まで届けられます。カフェオレで、豆乳を選べるところもありがたい。ゆっくりと時間をかけて飲むことを考慮してあるのでしょう、アイスで頼んだ場合は氷が入っていないという心配りもあります。

 

さて、そんな素敵な映画館で観た映画「ぼくを探しに」は、とても切ないストーリー(のはず)なのに、声が出ないよう何度も必死で笑いをこらえなければならない映画でした。ストーリーの最初から最後まで、画面のすみからすみまで、考えつくされた繊細さのある映画でした。

大好きな映画がまたひとつ増えました。

ぼくを探しに