「死都日本」

前回のブログで、パーカッションのライブをハシゴしたと書きましたが、実はその2つのライブの間に、会場近くのお友だちの実家に少し立ち寄りました。実家を離れている彼に代わり、家族のお顔を見に…。

リビングでお茶をいただきながら、テレビに映る御嶽山噴火に関するニュースを一緒に見ていましたら、突然、お母さんがすたすたと隣の部屋に行き、一冊の本を持って戻って来られました。

「これを読むと火山噴火のことがとてもよくわかるから、読んでみて。」

死都日本

それは、石黒耀著「死都日本」でした。

520ページもある分厚い本です。勧められなかったら読むこともなかったであろうおどろおどろしいタイトルの本でしたが、さっそく次の日から読み始め、なにやかやと押し寄せる日常の用事、仕事、ボランティアの合間に読み進め、ようやく今日読み終えました。

この本には、南九州にある火山の巨大噴火の様子とそれにより各地にもたらされる影響がとてもリアルに描かれています。もちろんフィクションではありますが、出てくる地名も馴染みのある実在する場所ですし、多くの書籍、論文など根拠のある資料を元に書かれているので、これはありえない話ではないと、とても考えさせられました。

わたし自身、1991年6月の雲仙普賢岳噴火の時には黒い雨に打たれた経験もありますし、2011年の新燃岳噴火の時には、灰に覆われた街並みを実際に見ています。それでも、この本のほうが、本当に怖かったし、リアルでした。

わたしたちは、もっと広く大きく長い目で、世の中を見なくてはいけませんね。この山もあの湖も、とにかくこの目にうつる自然の地形は、長い歴史のなかで、地殻変動でできたものなのですから。

そして、もっと地球の気持ちに近づくことも必要です。人間のエゴをどれほど押し付けてしまっているかに早く気が付かなければなりません。

多くの日本の都市と多くの日本人の命が失われてしまうという大変ショッキングな物語でしたが、最後に光が見えたのには、こころ救われました。