パキラの花が咲いた朝

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Photo by taka(7D)

水曜日の朝、リビングの窓際に置いてあるパキラに、花が咲いていた。ぼくは、パキラに花が咲く、ということを考えたこともなかったので、とても驚いた。

パキラも植物である以上、花も咲くだろうし、さらに実も種も出来るのは極めて当然のことなのだろうと、今なら思えるが、ぼくは本当にびっくりした。そして、正直、今でも、びっくりしたままだ。

この写真では、わかりにくいかもしれないが、ぼくの握りこぶしよりもひとまわり大きいぐらいのサイズなので、見ごたえもある。

差し込む朝の光に輝き、キラキラと綺麗であった。そして、顎と思われる部分(実は、花弁かもしれない、わからない。)のくるくる巻いた様子は、普段は化粧などしない女性が、何かのときに髪の毛先だけかけたパーマのようで、とてもチャーミングであった。

とにかく生まれて初めて見たものである。

最初に発見したのは、おくさんだ。

ぼくが仕事に行く準備をしていたら、パキラの木の前で、いきなり驚いたような声をあげ、「見て見て!」とぼくを呼んだ。

ぼくは、虫でもいたのかな、と思いつつ、その慌てぶりが尋常ではなかったので、「どうした?」と訊きながら、急ぎ足でそこに行くと、なんとパキラに花が咲いていたのである。そして、ぼくも思わず、驚きの声をあげてしまった。

このパキラは、上の娘が産まれてすぐに購入したものなので、20年以上、うちにいる。清瀬の水天宮の近くの、農園兼花屋のようなところで見つけ、一目惚れしてしまった。あのとき、姿形の美しさと発せられる生気に魅了されたのである。

当時は1mぐらいの背丈だった。それから、病気をすることもなく、元気に育ち、今では天井まで届き、青々と広がっていて、伊豆のバナナワニ園のような様相である。

そんな感じで、毎年毎年元気に成長を続けていたのだけれど、花が咲いたのは、おそらく、今回が初めてだ。

おそらく、というのは、パキラの花が、ハイビスカス同様、すぐに散ってしまうものだ、ということに、花を見つけた日の夜、気付いたからだ。人知れず、散ってしまったこともあるかもしれない。(花の大きさを考えれば、たとえ散ったあとでも気付く、とは思うが、可能性として)

通勤前なので、あまり時間がなく、掲載したようなスナップ程度の写真しか撮れず(しかも窓際だから逆光である)、帰宅したら、ゆっくりと撮影しようと思っていたけれど、夜にはもう終わっていた。ハイビスカスと同様、一日花らしい。

20年でたった一日。花の命は短いのである。

今度咲いたら、もっとゆっくりと鑑賞したいと思う。しかし、20年でやっと1回咲いた、ということを考えると、ぼくが生きているうちに、次があるのかどうなのか。原生の地(南国)ではどんどん咲くらしいが、冬の寒さが厳しい日本では、なかなか咲かないらしい。

おくさんは、宝くじがあたるのかな、それとも、なにか、幸せが来るのかななどとおっしゃって、はしゃいでいた。(それは、ぼくが、幸せにしてあげてない、ということを暗に意味しているのかも(笑))

まあ、はしゃいでいる姿は、少女のままだなあと思って、ぼくはぼくで、密かに微笑んでみたり。

そして、昨日は、ハイビスカスを買って来た。
黄色のハイビスカスである。

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Photo by taka(7D)

買い物で立ち寄ったホームセンターの入り口で、誰かに見つめられた気がして、振り向いたら、黄色の大輪がこちらを見ていた。そこで、買い物が終ったあと、ぼくが帰るとき、まだ売れておらず、出会いと同じ気持ちを感じたら、それは強い縁があるのだ、ということにして、連れて帰ろうと決めて、結局、その通りになったものだ。

ちなみに、去年から、うちにいる、このブログでも何度か登場したハイビスカスはオレンジ。(これは去年の写真)

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Photo by taka(31MR)

赤もほしいのだけれど、生き物なので、ひとりずつの出会いと付き合いとしたく、一気に揃えたい気持ちを抑えている。

ところで、オレンジのハイビスカスは、無事に越冬出来たのだけれど、暖かくなってベランダに出してから、虫が付くようになった。調べてみるとオンシツコナジラミという虫らしい。生育を妨げている様子があったので、何かうまい方法はないかと、少し前から、対策を考えていたのである。季節的なものかな、とも思い、様子を観ていたが、どうも自然に減る様子はない。多分、ほっておくと繁殖してしまうのだろう。

そこで、昨日、薬を使うことに決めて訪れたのが、そのホームセンターだった。なので、ハイビスカスつながりである。

ところで、薬を使うと言っても、最初から、農薬のようなものを使うのは気が進まなかったので、化学的な薬ではなく、物理的な薬として、でんぷんの粘着成分を利用したものを購入してみた。ネットでは効き目が弱いと書いてあった。買ったことを後悔している、と書いている人もいた。けれど、モノは試しである。野菜類には収穫前日まで使え、しかも使用回数の制限はないそうだから、一般的な農薬に比べれば、安全なものであるようだ。

帰宅してから、葉の表裏、まんべんなくスプレーした。でんぷんということで、ねっとりしたようなものを想像していたが、無色無臭のさらっとした液体である。

この虫は飛ぶので、散布のときだけ、さっと避難して、頃合いを見計らって舞い戻ってくるのかな、と思ったが、今のところ、姿はみえない。散布したと言っても、化学的な害毒はないので、その気になれば戻って、のほほんと出来るはずだけど、ぼくの気が伝わり、ヤバいと感じて、他に移動したのかもしれない(笑)

薬にやられて死骸が散乱しているのを見掛けるのは、たとえ退治しようと思っていても、嫌だなあと思っていたので、そういう意味でも、この薬の選択は、ひとまず正解だったのかも。


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