夜中のハマショー

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Photo by taka (7D)

昨夜、布団に入った後、なんだか落ち着かなくて、音楽を聴くことにした。そして、音楽を聴こう、と思った瞬間、ふと、頭の中で「こんな夜は I miss you.」という言葉が浮かび、それが浜田省吾さんの歌だったことを思い出し、iPodにイヤホンを挿して聴き始めた。真っ暗な部屋の中、ハマショーの歌が始まった。

「こんな夜は I miss you.」は、イントロがなくて、いきなり歌で始まるのである。久し振りの浜田省吾さんの声は、やっぱり感動的で、最初の一声から、脳の中にダイレクトに響き、心を揺さぶり、魂を震えさせた。そのうち、涙が止まらなくなっていることに気付く。泣いているのではない、涙腺のあちこちが解放された状態で、涙がだらだら流れてる感じだ。この歌のアップテンポな曲調だけ捉えたら、決して、悲しくなるような楽曲ではないのだが、涙が止まらず、枕が濡れていく。

「こんな夜は I miss you.」の次には、「SWEET LITTLE DARLIN’」という曲が続く。そして、涙の量が倍になる。理由はよくわからない。真っ暗だし、誰も見てないのだから、別にいいや、と思う気持ちが、更に心を解放させて、ほとんど歯止めがない状態になっているようだ。

その次は「J.BOY」という曲だ。アルバムのタイトルにもなっているこの曲は、ご存じの方も多いと思う。だが、ここで、ちょっと現実に戻る。この歌を聴きたくて、このアルバムを買ったのだけれど、そのため、数え切れないぐらい聴いて、数え切れれないぐらいあちこちで歌った(弾き語りでもカラオケでも)ものだから、歌の世界よりも、ぼく自身の現実に近くなってしまっているのかもしれない。

『J.BOY』(ジェー・ボーイ)は、1986年に発表された日本のミュージシャン、浜田省吾の2枚組アルバム。発売当時はCD盤、アナログ盤、カセット盤の3形態で発売された。浜田にとって初のオリコンチャート1位を獲得した作品。
wikipedia J.BOY (アルバム)より引用

今、情報を引用しながら、1986年に発売されたことに驚いている。というのは、ぼくの記憶では、もっと前(1980年頃)から聴いていたと思い込んでいたからだ。何か勘違いしていた部分があったのだろう。

ぼくは確か、最初、アナログ盤で買っている。そして、CDで買い直したのだ。でも、時代を考えると、もしかすると最初からCD盤を買っているのかもしれない。記憶と言うのは本当にあてにならないものだ。

ところで、同じアルバムの中に、「愛という約束事」という曲がある。

浜田省吾さんの歌には、結婚はしていないけれど、愛し合う(または愛を探し合う)男女の歌が多いような気がする。「愛という約束事」もそのひとつだ。初めて聴いたときから、ずっと好きな曲だけれど、当時は、この歌の本当の切なさの意味はわからなかった。

今なら、多分、わかる、わかってしまう歳になったことに対する切なさは、とても複雑で、なにやら言い知れないほどである。それは、恋愛にはいろいろな形がある、というようなことに対する理解が深まっていることの他に、自分の過去を振り返ったとき、10代の頃の恋から始まり、あれこれあれこれ経験して、とうとう、ここまで来てしまった(そして、もう、決して、戻れない)ということに対する切なさでもある。それを、「愛という約束事」の中では、「もう若くない、このままでいい」というような歌詞で表現していると思う。(あくまでもぼくの感覚。)

というように、アルバム『J.BOY』から何曲か聴いたあと、ぼくはiPodを止めて眠りにはいった。音楽を聴きながら睡眠状態に入るつもりだったけれど、なんだかそれは昨日の夜についてはそぐわないような気がして、静かな中で、再び、眠るために目を瞑った。

ところで、涙が流れだすのは、ストレスの解消に、とても効果的なのだと聞く。多分、それは、その通りなのだと思う。ただ、このストレスの原因について、今のところ、もがいているばかりで、どうしようも出来ないでいること自体、新しいストレスになって来ている自分がもどかしい。


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