彼女が風に吹かれた場合

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Photo by taka (31MR)

作家の片岡義男さんという人がいる。ぼくと同じ世代の方はご存じの方も多いはずだ。名前を知らなくても、映画「スローなブギにしてくれ」や「メインテーマ」の原作を書いた人、と言えば、へえ、そうなのか、ぐらいは思うかもしれない。そんな片岡さんのことを、ぼくは今まで何度もあちこちのブログで書いて来た。好きな作家を挙げてくださいと言われれば、まず片岡さんの名前が浮かんでくるほど、ぼくは片岡義男さんの書いた文章が好きだ。

この文の題名の『彼女が風に吹かれた場合』は、片岡さんの作品の中でも、ぼくの中で強く印象に残る小説の中のひとつだ。ここでは、その小説について書くわけではないけれど、題名としてもお気に入りであるこの言葉をタイトルとして拝借した。

片岡さんの文章は、現実感がないという人もいるけれど、ぼくはそんなこともないのではないか、と思っている。その時々の情景の描写を素直にありのまま受け入れて行けば、まるで映画のようなリアリティがあるし、男女の心の移り変わりは、シンプルで正直でストレートだ。固まった倫理観を持つ人からは敬遠されてしまうような自由放漫な登場人物もいるけれど、ぼく自身は共感することが多い。

最近、近所の古本屋に立ち寄ったとき、片岡さんの小説が何冊か並んでいた。読んだことのない本であるなら、買おうと思ったのだけれど、どれも持っているような気がする。或いは持っていないような気もする。

なんせ、片岡さんの本は沢山世に出ており、好きな作家とは言え、それは10代の頃からのことであるから、文庫本も買えないような貧乏な時期のことでもあり、最初から読み揃えたわけではなく、結果、目に入ったタイトルをランダムに読んでいるものだから、正確にはわかるものではない。

しかし、ぼくの中では、ほとんど読んでいるはずだ、という認識ではあった。そして、先程、その認識を確認したくなり、インターネットでいくつかのページを閲覧しながら、片岡さんの作品リストを作成し、そこにぼくの所有している作品をチェックした。

すると、なんと、半分も読んでいないことがわかったのである。

作品リストの数は200冊弱(他にもあるのかもしれない、これですべてではないのだろうとは思う。)であり、ぼくが所有しているのは、60冊だった。

60冊というのも結構な量だと思う。だから、片岡さんの本はほとんど持っているつもりになっていたのだと思う。しかも同じ本が2冊あったりして、ダブっている作品もあるので、実際は三分の一ぐらいしか読んでいないということになる。

せっかく作ったリストだから、とiPadminiやipodtouchで確認出来るように、skydriveに入れた。このリストがあれば、古本屋で迷うことなく、未所有のものだけを選択することが出来る。先程、古本屋で迷った話を書いたけれど、買った5冊のうち、3冊はダブりであった。一冊100円だったので、ダブっても惜しいほどではないのだけれど、ぼくが買ってしまうことで、他の誰かが読む機会を奪っていると考えると、ダブりは良くない。

ところで、60冊持ってると書いたけれど、実は、持っているはずの作品の何冊かは、手元になかった。片岡さんの本は本棚の一番上の真ん中に置くことに決めているので、他に紛れている可能性は少ない。紛失してしまったのだろうと思う。どこかに置き忘れたのか、誰かに貸したままなのか。或いは、引っ越しの際の段ボールに入ったまま、押し入れに眠っているか。


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